うつ病になってない?うつ病の症状と自分でできる診断チェック
昨今、「うつ病」という言葉をよく耳にしますが、他人事だと思っていませんか?
自分は大丈夫だと思っていても、「うつ病」は誰しもがかかる可能性を秘めています。
また、健常者が「うつ病」と向き合わず理解出来ないことが、年々患者数を増加させる要因にもなっています。
今回は「うつ病」の症状や自分でできる診断について書いていきたいと思います。
そもそも「うつ病」って何?
うつ病は脳の機能障害が起きている状態で、精神疾患の一つです。
うつ病の原因はまだはっきりと解明されていませんが、精神的ストレスや身体的ストレスなど、様々な理由が重なって発病すると考えられています。
ストレスは仕事の内容だったり人間関係、家族関係で感じることが多く、リストラや離婚などマイナスな出来事がストレスになるばかりではなく、昇進や結婚などプラスな出来事でも環境の変化からストレスになることがあります。
うつ病には大きく分けて、メランコリー(親和)型うつ病と非定型うつ病(新型うつ病・逃避型うつ病・ディスチミア型うつ病)の2つがあり、それぞれになりやすい人の特徴があります。
メランコリー(親和)型うつ病になりやすい人
- 真面目
- 責任感が強い
- 周囲の評価が高い
非定型うつ病(新型うつ病・逃避型うつ病・ディスチミア型うつ病)になりやすい人
- 気分屋
- 責任逃れをする
- 何事も他人のせいにする
「うつ病」の症状
うつ病になると精神運動抑制になり、「精神的な症状」と「身体的な症状」の2つの症状が現れます。
精神的な症状
抑うつ気分
うつ病最大の症状で、何も思い当たる節がないのに気分が落ち込み、悲しい気持ちになったり、憂鬱になります。
何か悲しい出来事があったわけではないので、気分転換をすることも難しいです。
自責念慮という考え方になり、「自分の存在があるだけで周りに申し訳ない」「自分はもうダメだ」などという極端な発想で頭がいっぱいになります。
不安や焦燥感でじっとしていられなくなります。
意欲の低下
初めは仕事のやる気がなくなる程度ですが、症状が進むと
- 今まで好きだったことや趣味への意欲も湧かなくなる。
- 人と会話するのが面倒になる。
- 外出する気もなくなる。
- 布団から出られなくなり寝たきりになる。
という風に進んでいきます。
思考力の低下
初めはアイデアが浮かばなくなったりする程度ですが、症状が進むと物事の優先順位が分からなくなり、些細な決断もできなくなります。
また、集中力や注意力が低下し、仕事の能率が落ちたり人が言うことがすぐに理解できなくなります。
自殺、自傷行為
症状が悪化すると、将来への希望が持てなくなり自然と死にたくなります。
また、手首を切ったり自傷行使を繰り返します。
身体的な症状
疲労や倦怠感
身体的な症状の中で最も多い症状です。
疲れやすくなったり疲れがとれず、身体がだるかったり重かったりします。
睡眠の異常
睡眠には4つの異常があります。
- 寝付きが悪くなる(入眠困難)
- 昼まで眠い、一日中眠いなどの過眠(熟眠障害)
- 朝早く目が覚める(早朝覚醒)
- 夜中に何度も目を覚ます(中途覚醒)
脳は睡眠中にストレスの処理をするので、睡眠が悪くなるとストレスがさらに溜まり、うつ病の症状が悪化します。
食欲の増加・低下
何を食べても美味しいと感じなくなり、食べるのが面倒になります。
食欲がなくなるのでダイエットをしなくても体重が自然と減っていきます。
また、反対に甘いものや炭水化物ばかりに食欲が湧き、過食して体重が増える場合もあります。
ホルモンの異常
うつ病は脳の機能障害が起きているので、ホルモンバランスが崩れます。
性欲が低下したり、症状が悪化すると生理不順や勃起不全になることもあります。
身体の痛みなど
特に多いのが頭痛や胃の不快感です。
これらは内科を受診しても原因不明だといわれた場合は、「うつ病」を疑ってみることが必要です。
他にも腹痛、便秘、動悸がする、難聴、目の疲れ、耳鳴りなどがあります。
自分でできる「うつ病」診断
自分がうつ病かどうか確認する目安にしてください。
- 1日中憂鬱な気分が2週間続いている。
- 何も面白いことがなく、何をするにも億劫な日が2週間続いている。
上記の2項目の内、1つでも当てはまる方はうつ病の可能性が高いので、一度専門家に診てもらいましょう。
- 思考力が落ちたと感じる。
- 原因がないのに泣きたくなる。
- 寝付きが悪い。
- 目が覚めるのが早すぎる。
- 一日中眠たい。
- 疲れやすい。
- 食欲がない。
- 頭痛がしたり頭が重たい。
- 胃の不快感がある。
- 性欲がない。
上記の10項目の内、3つ以上当てはまる方はうつ病の可能性があります。
また、当てはまる項目が多いほど、重いうつ病と思われます。
まとめ
「うつ病」は誰しもがかかる可能性を秘めていて、うつ病になると精神的にも身体的にも様々な症状がでます。
気付かずに放っておくと症状が悪化することがあるので、自分でできる簡単なうつ病診断をしてみて、怪しい結果がでたら一度専門家に診てもらいましょう。
「私は大丈夫!」と無理をせずに早い段階からうつ病と向き合うことが大切です。