そのラーメンで寿命が縮む!?塩分のとり過ぎにご用心
2016/08/28
寿司、焼き肉に続き、日本人の好きな食べ物ランキングの上位を常にキープしている「ラーメン」。
ラーメンは美味しくて値段もお手ごろですので、頻繁に食べている方もかなり多いです。
しかし、実はこのラーメン、食べ過ぎると寿命が縮まると言われています。
今回はラーメンがそう言われる原因「塩分」について説明します。
ラーメンに含まれる驚きの塩分量
塩分は、酸性物質を中和して体液のph値を常にpH 7.35~7.45の弱アルカリ性に保ったり、他の栄養素の消化や吸収を助けたり、神経と筋繊維の間のメッセージ伝達を助けたり、健康を維持するために色んな役割を果たしてます。
しかし、塩分の過剰摂取は身体にとても悪いです。
外食やコンビニ弁当、加工食品には大量の塩分が含まれていて、自炊をしない人はどうしても塩分の過剰摂取になりやすいので注意が必要です。
日本高血圧学会が推奨する塩分摂取量は一日あたり6.0g未満ですが、多くの人がこれを大きく上回る塩分を摂っているので、日本人の平均的な塩分摂取量は10.2gとなっております。
また、日本での塩分の摂取目標量は、男性が8.0g未満、女性が7.0g未満に設定されています。
これを踏まえたうえで、ラーメン1杯に含まれる塩分を見てみましょう。
とんこつラーメン | 5.3g |
しょうゆラーメン | 5.5g |
塩ラーメン | 5.5g |
みそラーメン | 5.9g |
チャーシュー麺 | 6.0g |
担担麺 | 6.3g |
上記の数字はお店にもよりますが、これ以上の塩分を使ったお店も沢山あります。
ラーメンには麺にもスープにも塩分が含まれていますので、1杯だけでほぼ1日分の塩分を摂ってしまいます。
塩分の過剰摂取がもたらす身体への影響
喉が渇く
摂取した塩分は、体内でナトリウムとなって骨や細胞外液(血液や消化液)などに運ばれますが、カリウムが不足していると塩分濃度を薄めるために体液(水分)が必要になります。
そのため喉が渇くのですが、水分の摂取量が足りないと身体が細胞から水分を奪おうとして、脱水症状を起こします。
しかし、水を大量に飲むと、むくみや高血圧を悪化させます。
血圧が上がる
体内の塩分濃度を薄めようとするため、喉が渇き水を飲み、尿や汗など水分の排出も抑えられるので、体内の水分量が増えます。
そうすると、静脈や動脈を流れる血液の量も増え、時間とともに血管が固くなり、高血圧を引き起こします。
むくみ
体内の水分量が増え、その水分が細胞から溢れると「むくみ」となります。
むくみは肥満になりやすい状態を作るため、肥満は糖分より塩分が問題と言われています。
塩分の過剰摂取が原因の病気
塩分の過剰摂取は自律神経(交感神経)を興奮させたり、インスリン抵抗性を高めたり、酸化ストレスを増大させたり、メタボリックシンドロームなどの様々な生活習慣病の原因となります。
高血圧症
塩分の過剰摂取は血圧を上げ、高血圧症を引き起こします。
高血圧症を放置しておくと、脳や心臓、腎臓、目などに重大な合併症を招きます。
腎臓疾患
塩分の排出は主に腎臓の濾過機能によって行われますが、塩分の過剰摂取が続くと腎臓は濾過作業に追われるので負担になり、機能が衰えて腎臓疾患の原因になります。
不整脈や心疾患
血管が硬くなり動脈硬化症などの血管障害が進んで、脳梗塞や心不全、心筋梗塞、狭心症などを引き起こします。
骨粗しょう症
塩分の過剰摂取は脱水症状を起こすか水分の過剰摂取を引き起こします。
喉の渇きから大量の水分を排尿すると、強い骨と歯をつくる上で重要なカルシウムも一緒に排出され、骨が弱くなり骨粗しょう症を引き起こします。
胃がん
塩分を過剰摂取すると胃の粘膜が荒れ、胃がんの発生率を高めます。
日本人の2人に1人はがんになると言われていますが、がんになる要因の35%は食事によるものだとされていて、特に男性は塩分の過剰摂取で胃がんの発生リスクが約2倍になると言われています。
つい摂りすぎてしまう塩分への対処法
ラーメンなどを食べて塩分を過剰摂取してしまったら、他の食べ物などで対処することができます。
カリウムと水分を同時に摂る
カリウムは体内の塩分と水分を結びつける効果があり、カリウムと水分を同時に摂ることで、体内の塩分を水分と一緒に尿として体外に排出できます。
塩分は主に尿として排泄されます。
カリウム含有量の高いものは以下のとおりです。
- バナナ
- キウイ
- スイカ
- メロン
- 干し柿
- トマトジュース(無塩推薦)
- アボカド
- ほうれん草
- 焼き芋
- 納豆
- 枝豆
カリウムは果物や野菜に多く含まれています。
利尿作用のあるものを食べる
塩分は主に尿として排泄されるので、リンゴやきゅうり、トマトなど利尿作用のあるものを摂ると良いとされています。
また、コーヒーや紅茶、日本茶など排泄機能を高める飲み物も効果的です。
運動して汗をかく
塩分はほとんどが腎臓から尿として排泄されますが、汗からも排出されます。
汗に含まれる塩分は0.3~0.9%程度で少ないですが、運動することによって腎臓が活発に働き、排泄機能を高めます。
まとめ
美味しくてついつい頻繁に食べてしまうラーメンですが、スープまで全部飲み干すのは非常にリスクが高いです。
ラーメンなどの塩分が高いものを食べた日には、
- 他の食事で減塩する
- カリウムが多く含まれる野菜や果物を食べる
- 利尿作用のある飲み物を飲む
- 運動をして汗をかく
以上のことを実践し、生活習慣病を予防しましょう。