「朝食を取るのは大切」それって本当!?朝食をめぐる諸説を切る!
「朝食は毎日しっかり取ろう!」というのは長い間常識とされてきました。
過去に両親や学校の先生に、かかさず朝食をとるようにと散々言われた経験をお持ちの方も多いでしょう。
朝食に関しては「しっかり食べたほうが良い」という意見と、一方でスポーツ科学や生理学的な観点から「食べないほうが良い」という見解もあります。
一流アスリートがパフォーマンスを向上させるため朝食を抜くということもあるようです。
実際は朝食は食べる・食べないどちらが良いのでしょうか。
今回は朝食をめぐる諸説を比べて、まとめてみたいと思います。
朝食は食べたほうが良い説
脳が活発化され集中力や記憶力が向上
人は寝ている間にもエネルギーを消費しているので、朝起きたときにはエネルギーが不足した状態になっていることもあり、朝食を食べることで不足しているエネルギーが補充され、脳へと運ばれる血液中の栄養素も豊富になり、脳が活発化されます。
脳が活発化されると集中力や記憶力も向上します。
目覚め
寝起きは1日で一番体温が低い状態ですが、朝食を食べることでエネルギー消費が始まり体温を上げ、基礎代謝も良くなるので、すっきりと目覚めることができます。
肥満、糖尿病、脳出血の防止
朝食を食べないと、その後の食事での血糖値上昇が高く、インスリンの分泌量も多くなり、インスリンの効きめを悪くする遊離脂肪酸の濃度も高くなります。
食後に高血糖状態が続くと、血管などがダメージを受けて肥満や肌の老化も進みやすくなります。
昼と夜に比べて朝のほうがインスリンの効きがよく、食後の血糖上昇が抑制されるので、インスリンが効きやすい朝にしっかり食べた方がダイエットにも美容にも良いです。
朝食を食べる回数が週2回以下の人は、毎日食べる人に比べて脳出血の危険性が36%高まります。
また、朝食を食べない女性は2型糖尿病と診断されるリスクが20%も高いです。
子供の成績アップ
成長期や育ち盛りの子たちは、筋肉の質が良いので食べた分だけのカロリーを消費します。
子供は大人と違って、身体が必要としている栄養を1日3回の食事では補いきれないくらい、1回の食事で摂れる食べ物の量が少ないです。
そのため「おやつ」と言う習慣が存在しているので、子供の朝食を抜くことは虐待とも言えます。
朝食を食べている子は、食べていない子に比べて平均的な成績が2倍も高い傾向にあることが明らかにされています。
しかし、朝食を食べることと成績が良いことに因果関係は証明されていません。
あくまでかかさず朝食を取る子供に成績の良い者が多いという相関関係が成立するのみです。
ですから朝食をとることが直接に成績アップに繋がるとは言えないでしょう。
朝はカレーが良い
カレーには記憶力を高める効果などが期待でき、カレー王国インドではアルツハイマーになる人が少ないという調査結果もあります。
お米と一緒に食べることで、脳を活性化させるブドウ糖も補給できます。
朝食は食べないほうが良い説
脳の活発化には無関係
人は空腹時に比べて空腹ではないときの方が優れた認知機能を発揮します。
しかし空腹状態ではないのであれば朝食を食べても脳の活発化には事実上は無関係です。
肥満の防止
エネルギー不足の場合には朝食は必要とされますが、前日に食べ過ぎてしまった場合にはエネルギーが使い切れずに余っていることもあります。
エネルギーが余っているときに朝食を食べると「過食」になり、脂肪として蓄積されますので、朝食を食べないことで肥満の防止になります。
定番の朝食は栄養価が乏しい
何かと忙しい朝は時間に追われてしまい、野菜や果物、肉や魚を調理するのは困難ですので、手軽に食べられるもの済ますことが多いです。
しかし、主食であるご飯には炭水化物が多く含まれていて、ドーナツやデニッシュ、マフィンなどの菓子パンには砂糖、脂質、炭水化物などが多く含まれてますが、不足しがちなタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養価が欠しいです。
また、ソーセージやハム、ベーコンなどの加工された肉は塩分が高く、心臓病や循環器系の病気になりやすいです。
つまり、偏った朝食を毎日食べることは健康に良いとは言えないのです。
内臓の休息
人間の体が食事を完全に消化吸収し、排泄し終えるまで18時間かかります。
ですので、食事の間隔を18時間あけないと内蔵は24時間つねに活動し続けることになります。
18時に夕食を食べ、朝食を抜き、昼食を12時に食べることで内臓を休ませることができます。
内臓を休ませることで体内のエネルギーを温存や解毒、治癒することができます。
腸内の残留物が一掃され、腸内環境が改善し、免疫機能が活発となり、病気に治癒改善が期待できます。
また、肝臓や腎臓などの臓器も回復し、体内の老廃物が解毒、排泄されます。
まとめ
まず、脳の活性化と肥満については、前日に食べた量によって食べるべきか食べないべきか異なります。
エネルギーが不足している場合は朝食を食べ、エネルギーが余っている場合は朝食を食べないほうが良いです。
成長期や育ち盛りの子は、無条件で栄養バランスのとれた朝食を食べたほうが良いです。
朝食を食べる一番のメリットとして根拠がはっきりしているものは、糖尿病や脳出血の防止ではないでしょうか。
しかし、ベーコンやハムなどの加工肉は塩分が高いので、注意が必要です。
朝食を食べないメリットは、内臓を休ませることができることで、腸内環境を改善し免疫力の向上、肝臓や腎臓などの臓器が回復し体内の老廃物が解毒、排泄せれることです。
この結果から、基本的には毎日朝食を食べて、前日に食べ過ぎたり腸内環境が悪い場合には朝食を食べないほうが良いと言えます。
自分の身体の状況によって朝食を食べるべきか食べないべきか判断する必要があります。