形容詞を使いこなそう|形容詞の働きと限定用法・叙述用法の違い
言語について勉強すると、品詞について学ぶことと思います。
品詞とは名詞や動詞、形容詞など文章を構成する要素の総称です。
動詞や形容詞などの各単語がどのような働きをするのかを知っておくと文章の理解が高まるので品詞について知っておくのは良いでしょう。
今回は形容詞の使い方について解説します。
形容詞の「限定用法」と「叙述用法」という2つの使い方を理解しましょう。
形容詞とは
そもそも形容詞とはどういうものなのでしょうか。
簡単に言えば名詞を修飾する、つまり名詞に説明を加えて詳しくする単語が形容詞です。
1)She is a beautiful woman.
彼女は美しい女性です。
2)The woman is beautiful.
その女性は美しい。
(1)の例文は彼女は単なる「女性」ではなく「美しい女性」であると述べています。
「beautiful(美しい)」という単語が「woman(女性)」という名詞を詳しくしていると言えます。
(2)の例文でも「The woman(その女性)」という名詞に「美しいのだ」というように説明を加えることで詳しくしていることが分かります。
このように名詞を詳しくしている「beautiful(美しい)」という単語を形容詞と呼びます。
もちろん、「beautiful」以外にも名詞を説明する単語はたくさんあり、これらは全て形容詞と呼ばれます。
形容詞には2種類の使い方がある
冒頭でも述べたように形容詞には「限定用法」と「叙述用法」と呼ばれる2種類の使い方があります。
この「限定用法」と「叙述用法」の違いを理解するために先程の例文をもう1度見てみましょう。
1)She is a beautiful woman.
彼女は美しい女性です。
2)The woman is beautiful.
その女性は美しい。
(1)の例文では修飾される単語「woman」の前に「beautiful」という形容詞が置かれています。
「美しい → 女性である」というように名詞の前に置いて意味を加える用法を「限定用法」と呼びます。
一方で(2)の例文のように「女性 ← 美しいのである」と名詞の後ろに置いて意味を加える用法を「叙述用法」と呼びます。
形容詞の中には「限定用法」のみでしか使えないものや、逆に「叙述用法」のみでしか使えないものも存在しますのでこれらの違いを覚えておく必要があります。
次章から「限定用法」と「叙述用法」の違いを詳しく説明していきます。
形容詞の限定用法
修飾したい名詞よりも前側に置いて意味を加える形容詞の使い方を「限定用法」と説明しました。
限定用法は「限定」とあるように、その名詞がどんな様子・状態なのかを限定する働きがあります。
先ほど挙げた文で考えてみましょう。
She is a beautiful woman.
彼女は美しい女性です。
この文章に出てくる女性はただの「女性」ではなく「美しい女性」であると意味を限定しています。
無数に存在する不特定多数の女性というイメージの中から、美しい女性だけに意味を限定しているということです。
他の例文も見てみましょう。
Look at the tall boy.
あの背の高い男の子を見て。
ここでもやはり、単なる「男の子」ではなく「背の高い男の子」と言っています。
公園でたくさんの子供達の中で、どの男の子でもよいわけではなく、「背の高い」というように意味を限定して対象を絞り込んでいます。
I have a 3-year-old son.
私には3歳の息子がいる。
ここでも、漠然とした息子というイメージを「3歳の」という説明を加えて限定しています。
このように名詞の前に形容詞が置かれている場合、それは限定用法になります。
名詞を限定したいときは形容詞を前側に置くということを覚えておきましょう。
形容詞の叙述用法
名詞の後ろに置いて意味を加える用法を「叙述用法」と説明しました。
そもそも「叙述」とは何でしょうか。
叙述とは「ある物事の様子を述べること」ですが、もっと簡単に言うと「ある物事を説明すること」です。
ですから、形容詞の叙述用法とは名詞を説明する用法ということになります。
The woman is beautiful.
その女性は美しい。
限定用法で挙げた例文と内容は似ているように思えますが違いもあります。
この文章は「女性」の中から「美しい女性」と限定しているのではなく、「彼女は美しいのである」と「女性」が「どういう様子・状態なのか」を説明しています。
1)He is still asleep.
彼はまだ寝ています。
2)The cat is cute.
この猫はかわいい。
3)My father is strict and quick-tempered.
私の父は厳しくて短気だ。
これら3つの例文でもそれぞれ、名詞を説明しているのが分かるでしょうか。
(1)では「彼 = 寝ている状態である」、(2)では「猫 = かわいい様子・状態である」、(3)は「父 = 厳しいかつ短気である」ということを説明しています。
このように名詞の後ろ側に形容詞が置かれている場合、それは叙述用法になります。
名詞に説明を加えたいときは形容詞を後ろ側に置くということを覚えておきましょう。
また、叙述用法の形容詞は全て文法上、「補語」ということになります。
まとめ
形容詞の限定用法と叙述用法について解説しました。
形容詞とは名詞に説明を加えて詳しくする単語のことです。
形容詞には「限定用法」と「叙述用法」と呼ばれる2種類の使い方があります。
名詞の前に置いて意味を加える用法を「限定用法」と呼び、その名詞がどんな様子・状態なのかを限定する働きがあります。
名詞の後ろに置いて意味を加える用法を「叙述用法」と呼び、その名詞に対して詳しく説明を加える働きがあります。
これらの違いは形容詞が「名詞の前にあるのか後ろにあるのか」を見れば一目瞭然です。
「限定用法」と「叙述用法」の違いを理解することで英文の理解力が向上しますので、意識するようにしてみてください。