英語の基本副詞「rather」の意味と使い方をマスター|5分で復習英文法
2016/12/06
英語に「rather」という単語があります。
この「rather」は知ってはいるものの実際には少し使いにくいと感じている学習者が多いようです。
学習中のみなさんが英会話の中で「rather」をあまり使わないのは使い方をしっかりと把握していないからかもしれません。
もしそうだとしても落ち込む必要はありません。
「rather」にはたくさんの使い方があるので使いこなすのを難しく感じてします方もいますがこの機会にマスターしてしまいましょう。
比較を表す「rather」の表現
まず「rather」には「~よりも」という比較の意味があります。
「rather」を比較の意味で使う際は基本的に次のような形で使用します。
rather A than B
または、
A rather than B
これは「BよりもAの方がいい」「BよりもむしろA」という意味があり、二つのものを比べるときによく使う表現です。
I would rather watch TV than go out.
出かけるよりもテレビを見たい。
She is cute rather than beautiful.
彼女は綺麗というよりは可愛い。
He is a singer rather than an actor.
彼女は俳優というよりむしろ歌手である。
この表現を使いこなすポイントは「まず言いたいことを先に述べる」ということです。
上記の「出かけるよりもテレビを見たい」で考えてみましょう。このセリフで何を一番伝えたいかというと「テレビを見たい」ということです。
ですから英語では、まず「テレビを見たい」と言って、それから「出かけるよりも」と付け加えるのです。
ただし文章の順序を逆にして「~するよりも」という部分を先に述べることもできます。
出かけるよりもテレビを見たい。
I would rather watch TV than go out.
Rather than go out, I would watch TV.
また「rather than」の後に動詞の原形が置かれている点にも注意してください。
ここに動詞の原形があると不自然に感じる方もいるかもしれませんが、この動詞は「原形不定詞」と呼ばれる不定詞の仲間で、日常的によく使われる形です。
この場所に置かれる動詞は原形不定詞ではなく「-ing」の形である動名詞が置かれることもあります。
「to」付きの不定詞が置かれることもありますが話し言葉ではほとんど見られず、論文のような非常に硬い印象になります。
そのほか、上記の例文のように「rather than」の後には「名詞」「形容詞」を置くことができます。
程度を表す「rather」の表現
程度を表すと言われても、なかなかイメージがわかりにくいかもしれませんね。
ここで言う「rather」は非常に多くの意味を持っており、日本語で言うところの「いくぶん」「そこそこ」「かなり」「ずいぶん」「けっこう」「ある程度」「わりと」「少し」に相当します。
こうして見ると「”かなり”と”少し”だと正反対じゃないか!」と思われる方もいるかと思います。
この程度を表す「rather」の表現では状況によってかなり広い範囲で使われるので、慣れるまでは難しく感じてしまうはずです。
It is rather hot today.
今日はかなりと暑い。
I was rather tired.
けっこう疲れたよ。
I rather like it.
わりと好きかな。
ご存知の通り「かなり」や「ずいぶん」といった表現は「very」や「pretty」などで表すことができます。
It is very hot today.
I am pretty tired.
こちらの表現の方がなじみ深いので、「かなり」と言うときに「rather」を使う人は少ないのでしょう。
ただ、覚えておいてほしいことは、「rather」は2つのものを比べるときに使うということです。
上記のような例文では比較する対象が出てきてはいませんが、「自分が思っていたよりは」「むしろ~だ。」というニュアンスが隠れていると考えてください。
ですから話者の気持ちを詳細に汲み取るとすると次のような意味になります。
It is rather hot today.
今日は思っていたよりも熱い。
I was rather tired.
思っていたよりも疲れた。
I rather like it.
好きではないと思っていたがむしろ好きだ。
このように隠れたニュアンスについては意味を理解する目的だけであれば無視してしまっても支障がないこともあります。
しかし、言葉は話し手の気持ちを表現するためのものですからこのような微妙なニュアンスを理解できるようになることで英会話力がネイティブに近づいていくことでしょう。
まとめ
英語の基本副詞「rather」について説明しましたがいかがでしたか。
比較の意味を表す「rather」では「than」を伴って「BよりもAの方がいい」「BよりもむしろA」という表現ができます。
程度の意味を表す「rather」はかなり広い意味で使われ話し手の詳細なニュアンスを伝えることができます。
英語を学習中の方の中には今までは何となく「rather」を使うの避けてきた方も多いと思います。
「rather」を使うと、単純に「~だ」というように述べるよりも、「むしろ」「思っていたよりも」というように自分の考えをより正確に細かく表現することができます。
私達が普段使っている母語であれば、このような微妙なニュアンスを表現する機会は非常に多いでしょう。
何かの事実を伝えるだけであれば「rather」なしで十分に伝えることはできますが、このような微妙なニュアンスを理解し表現できるようになることは英語力を磨くにはとても重要です。
「rather」のイメージを覚えて使える機会があったらどんどん使ってみてください。