英語の副詞の位置や使い方が丸分かり!よく使う副詞と文章中の位置
言語には品詞というものがあります。
名詞、動詞、形容詞といったものです。
どの単語がどの品詞にあたるのか、文のどこに置くのかが分かっていると、言語の理解がぐっと深まります。
また、それらを理解することで知らない単語が出てきた場合の応用力も高まります。
今回は品詞の1つ副詞について焦点を当てて、文章中の位置について解説します。
よく使う副詞を例文として使っていくので、使われている単語に注目してください。
副詞とは
まず副詞とはどんな役割があるのかを知っておく必要があります。
いくつかある品詞の中でも副詞は非常に幅の広い言葉で多くの種類がります。
副詞の役割は名詞以外の単語を修飾することです。
名詞以外というのがポイントで、名詞を修飾する単語は形容詞と呼びます。
さらに言うと、副詞は名詞以外であれば動詞でも形容詞でも他の副詞すらも修飾することができるのです。
文章によっては前置詞を修飾するような使い方もできます。
「修飾」とは
文章中で他の語句を詳しく説明したり、逆に意味を限定して明確にさせることです。
このように説明や限定で他の語句を説明することを修飾すると言います。
このように副詞は文章の中でとても柔軟に機能するのでその分種類もたくさんあります。
また、この多く存在する副詞はいくつかのタイプに分類することができます。
大きく分けると「時」「場所」「程度」「頻度」「発言態度」「可能性」を表す副詞に分類されます。
そして副詞の文章中の位置は上記のタイプごとにある程度決まっています。
時を表す副詞とその位置
時を表す副詞は文末に置くのが基本です。
We had a party yesterday.
昨日パーティーをしました。
I will go to Tokyo tomorrow.
明日東京に行ってくる。
I get up at 7:00.
7時におきます。
例文中では副詞に相当する語句を太字で表示しています。
それぞれ時を表す語が何を修飾しているかに注目してみましょう。
1つ目の例文は「(パーティーを)する」という行為つまり「had」という動詞です。
2つ目と3つ目も同じように「go」「get up」という動詞を修飾しています。
「昨日」「日曜日」「午前中に」というように「いつするのか」「いつしたのか」と動作をした時を表す副詞は文末に置かれると覚えておきましょう。
また、3つ目の例文は他の2つとは少し異なっているのに気がついたでしょうか。
この文章で時を表す副詞に相当しているのは「at 7:00」という部分です。
しかし、これは「at」と「7:00」の2語から形成されていて、さらに「at」は前置詞と呼ばれる単語ですから副詞ではありません。
ここでは「at」と「7:00」が合わさって「副詞句」という句を形成しているのです。
句というのは2語以上の単語が合わさって名詞や副詞などと同じ働きをするときに、その単語の塊のことを言います。
このように副詞と同じ働きをするいくつかの単語の塊は副詞句と呼ばれるのです。
時を表す副詞句も文末に置かれるということが分かりますね。
場所を表す副詞とその位置
場所を表す副詞も文末が定位置です。
I was waiting at the bus stop.
バス停で待っていた。
We arrived here yesterday.
昨日ここに着いた。
ここでも副詞に相当する部分を太字で表示しています。
この文も場所を表す語がどこを修飾しているか考えましょう。
1つ目の例文は「(バス停で)待っていた」という動作を表す「was waiting」という部分、2つ目は「arrived」という動詞ですね。
やはり場所を表すこれらの副詞も動詞(名詞以外)を修飾しています。
また、1つ目の文章では「at the bus stop」という単語の集まりが副詞と同じように働く副詞句となっています。
時を表す副詞と場所を表す副詞は文末に置くと説明しましたが、その際に2つ目の例文のように時と場所を同時に説明することもありますよね。
そういうときには場所を表す副詞を先に置くのが自然です。
優先順位は「場所 → 時」です。
基本ルールとしては上記な順番となりますが、実際の会話の中では特に場所を強調して話したい場合もあるかと思います。
そのような場合はは必ずしも基本ルールに縛られる必要はありません。
あえて最後に場所を述べることで強調して伝えることもできます。
語順に神経質になり過ぎる必要はないので状況に合わせて自由に自分の気持を伝えましょう
程度を表す副詞とその位置
「程度」と言われてもあまりピンと来ないかもしれませんね。
次の文を比べてみましょう。
1)She is smart.
2)She is very smart.
この2つの文章の違いは分かるでしょうか。
どちらも「彼女は賢い」と言っていますが、2)は「"とても"賢い」と言っています。
この「とても」が程度を表す副詞です。
「どれくらい賢いのか」「どれくらい嬉しいのか」など「どれくらい」を表す表現が程度の副詞だと思ってください。
You are absolutely right.
君は全くもって正しい。
She is so cute.
彼女はとてもかわいい。
I was too tired.
すごく疲れたよ。
I really like the movie.
この映画が本当に好きなんだ。
これらの程度を表す表現も「right」「cute」「tired」という形容詞や「like 」という動詞を修飾していることから副詞であると言えます。
程度を表す副詞の位置は時や場所とは違い修飾したい語の前に置かれています。
頻度を表す副詞とその位置
頻度を表す副詞とは「いつも」「毎日」「たまに」「普通は」と言った単語です。
これらも日常的によく使う表現ではないでしょうか。
My mother alwaystells me to study.
お母さんはいつも勉強するように言ってくる。
I often go to the cafe.
よくあのカフェに行くよ。
I sometimes use the PC.
時々パソコンを使うよ。
My grandfather seldom use the iPad.
祖父はめったにiPadなんて使わない。
頻度を表す副詞も程度を表す副詞と同じように修飾したい語の前に置かれます。
頻度の副詞はたくさんあります。
使う機会も多いと思うのでいくつか例を挙げておきます。
左から頻度の高い順番で「always > usually > often > sometimes > seldom > never」というようになります。
最後の「never」は「絶対にしない」という意味で最も頻度が低いと言えます。
これら以外にも同じような頻度を表す副詞や中間に位置する副詞もありますので余裕のあるときに覚えていくようにしましょう。
発言態度表す副詞とその位置
発言態度と言われても難しく聞こえてしまいますが、これらは私達が日常会話の中でよく使用する表現で、「はっきり言って」「正直なところ」「個人的には」などのようなものがあります。
発言態度を表す副詞は文頭に置かれます。
Honestly, I don't know what I should do.
正直なところ、何をすべきか分からないんだ。
Frankly, you waste your time.
はっきり言って、君は時間を無駄にしてるんだよ。
Personally, I like it.
個人的には好きなんだけどな。
可能性を表す副詞とその位置
可能性を表す副詞には「probably」「surely」「perhaps」などがあります。
これらは「たぶん~だと思う」「絶対に~だよ」というように話者の自信の度合いを表す副詞です。
可能性を表す副詞の位置は発言態度を表す副詞と同じように文頭に置かれることが多いです。
しかしその単語や話者の好みによって文中で使われる傾向があるものもあります。
これらは必ずしも文頭、文中に置かないといけない訳ではないので状況やそのときの気分で柔軟に対応する形で結構です。
Probably, he is studying now.
おそらく彼は今勉強をしているだろう。
Is that about me perhaps?
ひょっとしてそれは僕のこと?
Possibly, he will come soon.
ひょっとしたら彼はまもなく来てくれるかもしれない。
I will surely realize my dreams.
私は必ず夢を掴む。
ここでも副詞を太字で表示していますが文章中の様々な位置で使われていることが分かります。
これらは一見すると無秩序に思えるかもしれませんが次の3つのパターンに分類できます。
- 文頭に置く
- 文末に置く
- 助動詞・be動詞の後で動詞の前に置く
1)は文章の最初に置かれるので分かりやすいと思います。
上記の例文では1つ目と3つ目の文章がこれに当たります。
2)については疑問文でよく見られる形で2つ目の例文がこれに当たります。
3)については慣れるまで少し難しく感じるかもしれません。
一般動詞のみの文章であれば、その動詞の前に置くことになりますが、be動詞や助動詞が存在する文章の場合は4つ目の例文のように助動詞(もしくはbe動詞)と一般動詞で副詞を挟み込むような形になります。
まとめ
今回は副詞の種類と文章中に置かれる位置について解説しました。
副詞は名詞以外を修飾する言葉で、動詞、形容詞。他の副詞、前置詞など様々なものを修飾することができます。
副詞は大きく分けると「時」「場所」「程度」「頻度」「発言態度」「可能性」を表すものに分類できます。
副詞は分類ごとに文章中の位置がある程度決まっています。
「時」「場所」を表す副詞は基本的に文末に置かれます。
「時」と「場所」を同時に説明する場合は「場所」を先に述べてその後に「時」を述べます。
「とても」「かなり」などの程度を表す副詞は修飾したい語句の前に置きます。
「いつも」「たまに」など頻度を表す副詞も修飾したい語句の前に置きます。
「はっきり言って」「正直なところ」というような発言態度を表す副詞は多くの場合文頭に置かれます。
「probably」「surely」「perhaps」など可能性を表す副詞は単語や話者の好みによって位置が変わりますが主には次の3パターンに分類されます。
- 文頭に置く
- 文末に置く
- 助動詞・be動詞の後で動詞の前に置く
ここで説明した副詞の位置は基本的な考え方で必ずこの位置に置かないと間違えというわけではありません。
実際の会話ではそのときの気持ちや強調したい内容によっては、次のように意図的に副詞の位置を変えて話されることも多々あります。
At the party, I saw your mother yesterday!
昨日のパーティに君の母さんがいたよ!
基本の配置に縛られて神経質になりすぎないようにしましょう。
言語は自由に話してよいものなのです。