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英語の人称代名詞|性別が分からないときは?男女不明なときの人称代名詞

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人称代名詞」というのは「he」「she」「her」「him」などの人や物を言い換えて表す語です。

人称代名詞は対象が三人称の男性であれば「he」女性であれば「she」性別や人称によって様々な形が存在します。

では対象が男性なのか女性なのか分からないような場合、つまり性別不明のときはどのように表現することができるかご存知でしょうか。

今回は人称代名詞で対象の性別がはっきりせず困ってしまう場合の表現方法を解説します。

人称代名詞の基本おさらい

まずは本題に入る前に簡単に人称代名詞の基本をおさらいしておきたいと思います。

人称代名詞とは日本語で言うところの「私は」「あなたは」「彼は」「彼女は」「それは」というように人や物を言い換えてその対象を表現することができる語です。

もし人称代名詞がなければ会話の中では「鈴木さんは」や「そのお医者さんは」のように常に固有名詞や役職を述べなければならずとても煩わしくなってしまいます。

「私」という人称代名詞を使わずに自分のことを述べるとしたら何度も自分の名前を繰り返し言わなければならないでしょう。

また、人称代名詞には「格」というものが存在し、それによりその代名詞の性質が主語、所有、目的などに変化します。

性質の変化とは「彼は」「彼の」「彼を」というように日本語で言うところの助詞の変化と同じで単語動詞の関係性を様々に表現することができます。

このように人称代名詞は人称による変化と格による変化があり、さらに単数、複数の違いによっても形が変化します。

この人称代名詞の変化を理解するにはまず、人称について理解する必要があります。

人称代名詞の人称と格変化

言語表現における人称というのは「一人称」「二人称」「三人称」の3つに区分されます。
これらは、話の中で対象となっている人や物が話者から見てとのような立場であるかによって決定されます。

一人称 話者から見て話者本人、自分自身を指す。
二人称 話者から見た聞き手、話しかけている相手を指す。
三人称 話者から見た第三者、話者本人でも聞き手でもない対象。

人称代名詞の格は次の表のようになっています。ここでは合わせて覚えておくとよい所有代名詞と再帰代名詞についてもご紹介します。

主格 (~が、~は)主語になるか、もしくは補語になります。
所有格 (~の)後に続く名詞の所有者を表します。
目的格 (~を、~に)動詞の目的語や前置詞の対象になります。
所有代名詞 (~のもの)所有格と違って後に名詞を伴いません。単独で所有の意味を表します。
再帰代名詞 (~自身)自分自身、彼自身というように対象自身を表します。

このように格の変化によって文章中での役割やそのほかの語との関係が変わります。

所有格と所有代名詞はどちらも所有の意味を表しますが、用法は少し異なります。
所有格は「私のカバン」というように後に名詞を伴いますが、所有代名詞は「私のもの」というように単独で使用されます。

人称代名詞の変化一覧表

それでは人称代名詞の一覧表を見てみましょう。

単数形の人称代名詞

人称 主格
(~が、~は)
所有格
(~の)
目的格
(~を、~に)
所有代名詞
(~のもの)
再帰代名詞
(~自身)
一人称 I my me mine myself
二人称 あなた you your you yours yourself
三人称 he his him his himself
彼女 she her her hers herself
それ it its it its itself

一人称の主格「I」は常に大文字で表記されます。

三人称「it」の所有代名詞が存在しないというのは誤った情報です。現在の文法定義上では所有格と同じ「its」とされています。ただし実際に使用される機会は少ないとは言えるでしょう。

複数形の人称代名詞

人称 主格
(~が、~は)
所有格
(~の)
目的格
(~を、~に)
所有代名詞
(~のもの)
再帰代名詞
(~自身)
一人称 私たち we our us ours ourselves
二人称 あなたたち you your you yours yourselves
三人称 彼たち
彼女たち
それら
they their them theirs themselves

二人称「you」は一見すると単数の場合と同じに思えますが再帰代名詞が「yourself」と「yourselves」で異なっていますので注意しましょう。

性別が不明な場合の人称代名詞

人称代名詞には近年で特に意識されるようになった問題があります。
それは三人称の人称代名詞を使用する際に性別が男性か女性か不明な場合にどれを使用するか判断できないという問題です。

三人称の人称代名詞は対象が男性か女性かによって明確に別れているため性別が分からないと困ってしまうのです。

例えば次の例文を見てください。

The child nursed [所有格] sick mother, even though [主格] was tired.
その子供は疲れているにも関わらず、病気の母を看病した。

通常、文章を書いている人からするとその人物の性別は分かっていることが多いので問題にはなりません。

しかし時折、独立的な短い文章を構成する際や部分的な文章を構成する際、また文章の一部を翻訳するする際などに、対象の性別が分からなくて困る場合があります。

上記の例文の場合、[所有格]には「his」もしくは「her」が入るはずですし、[主格]には「he」もしくは「her」が入るはずです。
とは言え実際にその子供の性別を知らなければ当てはめようがありません。

このような場合の対応は、時代とともに変化をしてきました。
また、書き言葉や話し言葉でも若干の違いがあります。

その対応方法はいくつかありますが、現在ではあまり好まれないものや、状況によっては嫌がられるものもありますので注意しましょう。

いずれの場合もhe男性形を使う(非推奨)

英語の歴史を振り返るとこのように性別がはっきりしないときには常に男性形である「he」「his」「him」などを使用してきました。

しかし、これは何でも男性を優先しているようで良くないという考えから現在では敬遠されている方法と言えます。

何事も平等であることが求められれる現代社会ですからこの表現は使用しない方がよいかもしれません。

「one」を使う(日常的な状況では不自然)

性別が分からない際に主格、目的格として「one」所有格として「one's」を使うこともできます。

「one」を使った表現だと男女の区別をせずにどちらの場合も使用することが可能です。

しかしながらこの表現方法は非常に硬い印象になります。

和訳すると「人とは~である」のように格言や昔のことわざなどのように聞こえる可能性があります。

「it」「its」を使う(非推奨)

通常「it」は物や動物などの人間以外のものの場合に仕様されますが、状況によっては人に対して使用することもできます。

よく見られる状況として、玄関のインターホンが鳴ったときや、見知らぬ番号からの電話を受けたときなどに「Who is it?(誰ですか?)」というように表現します。

本章冒頭の例文のような場合も続く文章の人称代名詞には「it」「its」が使用される場合がありますが、一般的な人に対して「it」を使用するのは失礼に感じられますからできるだけ控えたほうが良いでしょう。

名前、職業名、役職など他と区別できる名詞を使う

英語で文章を構成する際にこのような問題に出くわした場合は、まず名前などの固有名詞があれば使用して言い換えます。不自然にならないように文章自体の構成を見直した方が良い場合もあるでしょう。

それでもしっくりこない場合は、定冠詞「The」と職業名や役職名などを用いて「the doctor(その医者)」「the student(その生徒)」表現してみます。

また、対象の状態や立場などと定冠詞の組み合わせでも表現できます。例として「the stranger(その見知らぬ者)」「the drunk(その酔っぱらい)」「the champion(その優勝者)」などがあります。

それも難しい場合は「the person(その者)」を使うこともできますが、状況によってはぶっきらぼうな印象になる可能性もあります。

所有格を表したいときは末尾に「's」を付加して表現することができます。所有格、独立所有格の詳細な解説は別の機会に譲ります。

「they」三人称複数形を使う

近年では男女の区別が難しい場合に三人称複数形である「they」「their」「them」などを使う動きが見られ始めました。

この表現方法は性別を気にする必要もなく、「it」のように失礼な印象や「one」のように硬すぎる印象もないため便利に使用できます。

この表現方法が徐々に広がりを見せる一方で、英語として元来の使用方法を無視しているため非文法的であるという声もあり、まだ完全に標準的であるとは言えません

しかし今後として主要な表現方法になる可能性は十分にあるでしょう。

「he or she」「he/she」を使う

「he or she」「he/she」のように両方の性別を「or」「/」を添えて表す方法があります。

この方法は平等で非常に倫理的な印象があるのでフォーマルな場では好んで使用されます。公式な文章を書く際には「he/she」が標準的です。

しかしながら、日常的な会話であれば毎度全てに「he or she」「his or her」と表現していては迅速さを欠いてしまいます。

もし友人同士の会話などであれば煩わしく感じられて嫌がられることすらあるでしょう。

逆にスピーチやテレビ番組など不特定多数の相手に向けて話す際にはこの方法を利用するのがよいでしょう。

性別不明の再帰代名詞「-self」

再帰代名詞の場合にも人称代名詞と同じようにいくつかの方法が利用できます。

「oneself」を使う

近年までは性別が分からない際の再帰代名詞として「oneself」を使うことが一般的でした。

現在でもよく使われる方法であり廃れてしまったわけではありません。

「himself or herself」を使う

これは人称代名詞と同じくフォーマルな場で好んで使われます。

やはり煩わしくはなってしまうため、日常的なフランクな会話ではここまで丁寧に表現しなくてもよいでしょう。

「themselves」を使う

人称代名詞で「they」が使われるように再帰代名詞では「themselves」を使うことが増えているようです。
しかし、やはり元来の文法上は正しいと言えないので標準化されているわけではありません。

「themself」を使う

近年米国では、「themselves」を単数形として表した「themself」という単語が稀に使用されているようです。
主語が単数にも関わらず「themselves」を使用するのは違和感があるということでできた単語と考えられます。

標準英語とは言えず、実際に使用すると文法知識がない人だと思われる可能性もありますが、この単語を掲載している辞書も存在します。
現状では使用しないほうが無難と言えます。

まとめ

性別がはっきりしない場合の対応は現在でも様々な意見があり英語圏で暮らす人々にとっても判断が難しい問題です。

その場合の対応として最も無難な方法は「he or she」「himself or herself」を使うことでしょう。
これらはとても倫理的な印象があるのでフォーマルな場では特に好まれます。
しかし日常的な会話では丁寧すぎて煩わしく感じられることもあるかもしれません。

「they」「themselves」を使った非常に便利な方法も一般的になりつつありますが、非文法的であるという意見もあり完全に浸透するかどうかは未知数です。
現状では、正式な文章構成を求められる場でなければ使用しても良いと言えるでしょう。

その他いくつかの方法がありますが、状況によって相手に失礼にあたることもあるので注意しましょう。

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