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【英語の不定詞を徹底解説-3】原形不定詞の用法と使い方|知覚・使役

2016/10/18

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今回は不定詞の用法の中でも重要度の高い原形不定詞について解説したいと思います。

本記事は英語の不定詞を3回に分けて解説する最後の回になります。これまでに不定詞の基本3用法と応用的な用法などを解説してきました。
不定詞解説の関連記事がありますので必要に応じて参照してください。

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原形不定詞とは

原形不定詞とは不定詞の用法の1つとされていますが、その大きな特徴は「to」を伴わずに動詞の原形のみで表されるということです。

「to + 動詞の原形」とう形は不定詞を認識する上でも大きな手がかりとなっていますが、原形不定詞にはこの「to」が存在しません。

それでも、原形不定詞は使用される用法はいくつかのパターンに限定されていますので、そのパターンさえ覚えてしまえば比較的簡単に理解することができます

むしろ多彩な用法がある「to」付き不定詞の方が実際に理解するのは難しいと言えるでしょう。

実は原形不定詞は言語学上では起源がto不定詞と別であると考えられており、to不定詞よりも早い段階で発生したと言われています。

その後、言語の発展と共に変化し、現在の英語では文法上、不定詞の用法に属するとされています。

原形不定詞の5つの用法

原形不定詞には用法が5つあります。逆に言えば用法は5つしか存在しないためそれさえ覚えてしまえば良いということです。

その5つの用法も、限定的で決まった形を取るので比較的簡単に理解できるでしょう。

原形不定詞の用法には次のようなものがあります。

  • 使役動詞の目的格補語
  • 知覚動詞の目的格補語
  • helpの目的格補語
  • 助動詞を伴う場合
  • 慣用句の一部として

原形不定詞は基本的に特定の決まった語句を伴って表れます。それが使役動詞(しえきどうし)、知覚動詞(ちかくどうし)、助動詞、「help」です。

それでは各用法を詳しく見ていきましょう。

使役動詞を伴う原形不定詞

使役動詞というのは「make」「have」「let」の3種類の動詞のことで、人や物に対して「~させる」という意味を持つ動詞のことです。

使役的な用法を持つ動詞に「get」「force」などがありますが、これらは使役的な表現が可能というだけで「使役動詞」ではないので注意しましょう。

原形不定詞が使えるのは上記の3つの動詞のみで、その他の使役的な用法を持つ動詞の場合は原形ではなく通常のto不定詞を使用しましょう。

She made her son clean his room before dinner.
彼女は息子に夕食の前に部屋の掃除をさせた。

I have my wife make coffee every morning.
私は毎朝、妻にコーヒーを入れてもらう。

Please let me know as soon as possible.
できるだけ早く知らせてください。

これら3つの使役動詞はいずれも「~させる」というニュアンスになりますが、その違いは次の通りです。

make 強制的に・命令して~させる
have 頼んで~してもらう
let ~するようにする/~させてあげる

「let」は丁寧な表現でもあり気軽に使うこともできるのでビジネスシーンなどでも役立ちます。

I'll let you know.
お知らせします。

Let me check it.
確認させてください。

使役動詞を使った構文の受動態

使役動詞を伴った構文で受動態の文章を形成する際にはいくつか注意が必要です。

まず「have」を使った文章では通常、受動態が存在しません。能動態のみで表現されます。

「let」「make」の場合は受動態で表現することも可能ですが、不定詞は原形ではなくto不定詞を使用します。

また「let」は多くの場合、「allow」に変換して「~許されている」という表現にするのが自然です。

能動態)She made him study English.
彼女はに英語の勉強をさせた。

受動態)He was made to study English.
彼は英語の勉強をさせられた。

能動態)The mother let him go out alone.
母は彼を一人で外出させた{してもよいとした}。

受動態)The boy was allowed to go out alone.
その少年は一人で外出するのを許された。

知覚動詞を伴う原形不定詞

知覚動詞とはその名の通り、人や物の動作や状態を知覚するという意味を含む動詞です。知覚動詞には多くの種類がありますが代表的なものに次の動詞があります。

  • feel
  • notice
  • see
  • look at
  • watch
  • observe
  • hear
  • listen to
  • perceive

知覚動詞を伴った原形不定詞による構文は「 〇〇 が ~ するのを見た(聞いた・感じた・など)」のような文章を構成します。

I saw a strange man go past.
知らない男が通り過ぎるのを見た。

Did you hear her sing a beautiful song?
彼女が美しい歌を歌うのを聞きましたか?

知覚動詞の目的語には原形不定詞以外に現在分詞(doing形)の動詞を置くこともできます

このとき、原形不定詞の場合も現在分詞の場合も「~ するのを見た(聞いた)」という意味になるのは同じですが、大きな違いもあります。

原形不定詞 [全動作]対象の動作を一部始終(最初から最後まで)知覚
現在分詞 [一部動作]対象の動作の一部を偶然に知覚

具体的には次のようになります。

I heard her sing a song.
彼女が歌っているのを(歌い始めてから終わるまで)聞いた。

I heard her singing a song.
彼女が歌っているのを(ふとした偶然で)聞いた。

このように、不定詞と現在分詞では少々意味が異なりますので注意しましょう。

知覚動詞を使った構文の受動態

使役動詞を伴った構文で受動態の文章を形成する際、原形不定詞はto不定詞に置き換えられます。
文章の分かりやすさやリズムを重視するからだと言われています。

また、現在分詞を使った文章の受動態にはそのまま同じ現在分詞が使用されます。

受動態にした場合も不定詞と現在分詞では全動作・一部動作の違いがあり、能動態のときと同じく不定詞は全動作、現在分詞は一部動作を表します。

しかし近年では、知覚動詞構文での能動態は全動作・一部動作の違いに関係なく現在分詞が好んで使われるという傾向もあります。

helpの目的格補語になる原形不定詞

「help」の目的格補語で使われる原形不定詞は元は主に米国英語で使われていましたが、現在は英国英語でも日常的に使用されています。

注意点として実際の会話などではよく使われる表現ではありますが、正式な表現ではなく、フォーマルな場面では「to」付きの不定詞を使用することが推奨されています。

これは他の用法とは異なり元来の原形不定詞の用法ではなく、to不定詞の「to」がくだけだ場面で省略されているといった認識です。

その荷物運ぶの手伝うよ。
I'll help you (to) carry the baggage.

トイレを綺麗に保つことにご協力を。
Please help (to) keep this restroom clean.

くだけた会話ではこのように括弧()で囲まれた「to」は省略することができます。

助動詞を伴う場合

助動詞は「can」「will」「did」などたくさんの種類があります。

助動詞を使った構文方法は英語学習においては比較的初期段階で学習されることが多いので既にご存知の方も多いと思います。

基本の文法として助動詞の後に続く動詞は常に原形を使うというように記憶されていることと思います。

実はこの助動詞の後に続く原形の動詞というのも原形不定詞の用法の1つだったのです。

She can speak English with fluency.
彼女は流暢に英語を話すことができる。

He must be angry.
彼は怒っているに違いない。

慣用句の一部に使用される原形不定詞

慣用表現の中で原形不定詞が使われているものもいくつかあります。

had better(best) + 原形不定詞
「~したほうがよい(一番良い)」

You had better get up early.
早めに起きたほうがよい。

do nothing but + 原形不定詞
「~してばかりいる」

He always do nothing but make an excuse.
彼は言い訳してばかりいる。

cannot but + 原形不定詞
「~せざるをえない」

I cannot but say that it's impossible.
それは不可能だと言わざるをえない。

これらの慣用句はいずれもよく使われるので覚えておくようにしましょう。

まとめ

不定詞の用法には「原形不定詞」と呼ばれ「to」を伴わずに文章中に表れるものがあります。

原形不定詞は特定の決まった語句と共に使用されます。
使役動詞、知覚動詞、「help」、助動詞がこれに当たります。

これら以外に慣用的な表現として使用される原形不定詞があります。

使役動詞は「~させる」という意味を含む動詞で「make」「have」「let」の3種類があります。

知覚動詞は動作や状態を知覚するという意味を含む動詞でいくつかの種類があります。

使役動詞、知覚動詞を使った構文は受動態にしたときに、原形不定詞ではなくto不定詞を使うなどいくつかの注意点があります。

「help」の後に続く原形不定詞は日常的に使われますがくだけた表現で正式なものではないので使用する際は気をつけましょう。

助動詞の後に置かれる動詞の原形も原形不定詞の用法の1つです。

よく使われる重要な慣用句にも原形不定詞を使ったものがありますので覚えておくようにしましょう。

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